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沫雪の唄

「なんて素敵にジャパネスク」二次小説

「文~帝と姫の事情~」第二十二話・瑠璃姫

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藤宮様へ


高彬からの文、ありがとうございます。
返事を書きましたのでそちらから高彬の方へ送っていただけますか?一応、高彬はあたしがそちらにいると思っているはずですから。

でもやっぱりそろそろ、誤魔化すのも限界ですね。

高彬とあたしの姿をした鷹男にどんなやり取りがあったのは詳しくはわかりませんがここまで長く藤宮様のお邸に滞在しているというのは不自然というか、無理がありますもの。
高彬もあれで優秀ですから、おかしいと疑っているようです。

何もしないし直接会って話し合いたいからとにかく一度戻ってくるようにと書いてありました。
高彬にとったら身に覚えのないあまりに突然の出来事ですものね。当たり前ですわ。
以前送っていただいた父様のからの文にも同様のことが書いていました。

高彬、ひょっとしたらあたしが後宮に来ていることに気づいているかもしれません。
一度戻ってきてほしいというのも藤宮様のお邸からではなく後宮からという意味なのかも…。断定はできないのですけど高彬の文を読むとそんな気がしたのです。

藤宮様、どうしたらいいと思います?
高彬と鷹男の間に起ったことを思うと真実を告げるに告げられないし…鷹男にも絶対言わないと約束もしましたし。とはいえ、この状況は不自然すぎて上手い説明が思いつかないのです。
それに、自分の身体でいられるのはぎりぎり一日ですもの。戻った途端、鷹男に逆戻りですわ。話どころじゃありません。

やっぱり…こっちで高彬と話すしかないですよね。あたしがここにいることを打ち明けて。
まさか入れ替わっているなんて思いもしないでしょうからそこは言わない限り平気だと思うのです。ですから、あたしが藤宮様のお邸からこちらに来たことだけは…打ち明けようかと。
鷹男に高彬の名前を出すのは忍びないですけど相談しないわけにもいきませんから鷹男にも高彬と会うことは言って…その後は。
どう転がるかはわかりませんけど…何とか話してみます。

また文を送りますね。



瑠璃より





続く


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