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沫雪の唄

「なんて素敵にジャパネスク」二次小説

「長恨歌」第七十一話 左大弁家二の姫付女房・透子(瑠璃)

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「ろ、篭絡って……っ…っっぅんん」

あっと思う間もなく強い力で腕を掴まれ
気がつけば

唇を奪われていた。

「ん、んーっ!…ふぁ……っやぁっっ」

それは決して甘やかなものではなく、全てを食らおうとするかのような強引で激しい口づけ。
拒絶の声をあげようとした一瞬の隙をついて侵入してきた舌が逃げ惑うあたしのそれを捉えからみつく。突き放そうとした手はあたしの力では効果はなく、逆に縋るように鷹男の直衣を掴んだだけだった。
口づけだけで脳は痺れくらくらとした眩暈に襲われる。一瞬で十八年前の、鷹男との蜜月が脳裏に駆け巡り、身体中を官能が走る。

「はぁ…っ、はぁ、はあ」

荒くなった呼吸、やっと離された唇は空気を求めて喘ぐ。あたしを見下ろす、冷え切った相貌と視線が合わさる。
されていることとは裏腹に、鷹男の瞳には熱はない。

「どうした、これがそなたの望みであろう?」

その言葉にかっとして、睨みあげた。
でも否定の言葉を口にするより前にまた唇を奪われる。

「んー!!…っん、んんっ……んんーーっ!」

「藤壺女御の生まれ変わりだというなら女御になりきってみせるがいい」










「長恨歌」第七十一話 左大弁家二の姫付女房・透子(瑠璃)










「その声で啼くのなら紛い物でも悪くない」

「!!」

挑発されてると思った。
わざとだ。わざと、あたしを怒らせようとしている。
鷹男は信じる気などないのだ。

「子種はやれぬがな。」

寵姫に据える気もさらさらない、と。

「一夜だけでも私の慰めになれるなら幸運であろう」

「~~…っあたしはそんなつもりじゃ……!」

見下ろす鷹男の瞳が細められた。

「ほう。言葉遣いまで女御を真似るか。よく調べていることだ。」

「だから!あたしは本当に……っっ」

否定の言葉は最後まで紡げなかった。
視界が転回し押し倒されたのだと理解したのは視界に満天の星々と月の姿が映ったから。
月光を背にした鷹男はどこまでも美しく、言葉を失う。

「さあ、慰めてみよ」

あたしを組み敷いた鷹男の手が乱暴に胸元の唐衣と袿の合わせを暴いた。

「え、嘘…っちょ、ちょっと……!まっ…」

抵抗する暇もなくばらばらになる唐衣を慌ててかき集めようと手を伸ばす。その手を掴まれ、ひとくくりにされると頭上で押さえつけられた。もはや隠す役目を果たしていない衣達の真ん中で外気にふれた肌がぞわりと粟立った。
違う。
違う、こんなつもりでここに来たわけじゃない……!

首元を這う冷たい唇。それが喉仏を掠めた時は噛み切られるんじゃないかと悪寒が走った。再び上にあがってきた唇は耳元に寄せられ、冷酷な声が響く。

「陰陽師の美しさはそなたのような年若い女人まで惑わせるほどか。それとも…手管にやられたか?」

力いっぱい首を振ることで否定する。

「ならば本当に私の寵を求めてのことか。その声があれば可能と踏んだか?」

「~~っ、」

ぞくぞくする。
確信犯だ。鷹男はわざと、声に艶を含ませ耳を犯してる。かつて感じた悦楽が蘇って否定の言葉も抵抗も奪われる。

「陰陽師は藤壺女御の生まれ変わりを探しているとか。その理由を、そなたは知っているのではないか?」

「し、知らな…」

「陰陽師は何故女御が生まれ変わっていると?何故…命を奪った?」

あたしを探している?
どうして?

あたしをまた殺そうとしているの?

「そなたを女御の生まれ変わりに仕立て、私に近づけたのではないか?」

「あ…っっ」

突如強い痛みともつかぬ刺激が胸元を襲った。
あらわになった乳房を、潰すように包まれたのだ。

「う…、あ、あ……!」

「あるいはそなた自身自覚がないまま自分を女御の生まれ変わりだと信じ込まされているのか。女御の記憶を植え付けることも陰陽師には可能かもしれぬな。」

目を見開いた。

まさか。
そんなはずは――

「っう…!いたい!」

乳房を包む手に力がこもる。
角ばった大きな手のひらがやわらかな乳房に食い込んでいた。

「正直に話せば逃がしてやってもいい。このままここで…寺の渡廊で醜聞を作りたくはあるまい。」

「こ、ここで…あたしが、逃げたら……二度と信じてくれないでしょう………」

「…あくまで女御と言い張るということか」

「陰陽師になんて会ったことないわ。」

少なくとも生まれ変わった今世では。
だから思い込んでるわけでも記憶を植えつけられたわけでもない、はずだわ――。

鷹男が嗤う。

あたしを組み敷いたまま見下ろして嗤い、


残っていた全ての衣を剥ぎ取った―――――。





続く


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